ソナでは,制作会社のスタジオだけでなく,個人スタジオもやってます。
今回の「ザ・棟梁」でご紹介する個人スタジオの施主は,エンジニアのT木さん。
ご自宅の新築に際して,自宅でも仕事ができるようスタジオをお持ちになるという,大変仕事熱心なエンジニアさんです。
そして,この物語の主人公は「K棟梁」…
【棟梁との出会い】
1月。まずは,T木さんが全幅の信頼を寄せている「棟梁」(今風に言うと現場監督)に,お会いしに現場に伺いました。
個人邸の場合,設計段階から参加させて頂くことが多いのですが,現場に伺った時には,設計事務所による設計作業も上棟式も既に終わっており,着々と工事が進行している状態でした。
そのような状況の中,棟梁曰く
「この図面じゃ防音にならん。だからスタジオ部分には一切手を付けずにいる。俺はちゃんとした防音工事がやりたい。教えてくれれば,やれる事は何でもやる。」
むむむ… 名刺を頂くと肩書きが「○○建築 棟梁」。
現場で棟梁と呼ばれている人の名刺はだいたい「代表取締役」とか「○○部長」とかの肩書きがお決まりなんですけど!
こりゃ,本物の棟梁の登場です…
【棟梁弱気になる?】
専門業者よりやる気になっている棟梁の気概を受け,建物の設計図面を拡大コピーして,休日返上で手書き図面を作成して,再びT木さんと現場へ。
その図面を見て,棟梁曰く
「T木さん,こりゃスタジオ部分は専門家に工事してもらった方がええ。こんなダクト工事とか,見たことも無い。」
えっ! 棟梁が弱気に?
複雑な換気ダクトが難しそうな印象を与えすぎた?
そして,今後どのように工事を進めるかをT木さんと僕の宿題として持ち帰ることに…
【やっぱり棟梁!】
ソナがどこまで工事を行うか,T木さんと様々なケースの見積をやりとりしても,なかなか着地点が見つかりません。
そのうちに,とうとうスタジオに着工しなければいけない時期に差し掛かっており…
「やはり,棟梁にスタジオ工事をやって頂くことにしよう!」
と腹を決めて,CADで施工図面を作成しT木さんと現場の棟梁をたずねました。
「換気ダクト工事だけはソナでやります。あと,特殊な材料は手配します。でも,他の工事は棟梁のところでやってもらえませんか。重要なポイントでは僕が現場に来て指示しますし,困ったことがあったらいつでも僕の携帯に連絡を下さい。」
といった熱意が通じたのか,詳細な施工図面を見てやることが整理できたのか,棟梁からあふれんばかりのやる気オーラがみなぎりだし,めでたく工事スタートです。
で,早速グラスウールとジャージクロスを配送手配するため,棟梁に現場にはいつ届けたら良いかを聞いたところ,棟梁曰く
「いつでもええです。今,ここ(現場)で寝泊まりしとるので。早朝でも深夜でも休日でもいつでも受け取れます。」
さすが,現場所長ではなく「棟梁」です。
建築中のT木さんちに忍び込もうものなら,棟梁に何されるか分かりませんよ~。
みなさん,「みんなのいえ」という映画,ご存じですか?
この現場に来ると,毎回思いだすんですよね…
現場に図面と僕の携帯電話の番号が貼られ,スタジオ工事スタートです。
難しい空調換気ダクト工事はソナで,他は棟梁のところの大工さんで工事。
隙間のコーキングも電源ボックスの遮音も棟梁のところの大工さんでバッチリ!
棟梁の現在のお住まい,T木さんちの新築工事現場。
こちらで毎日朝から晩までT木邸の誕生を見守られております。
by N