4月 302013
 

棟梁から電話を頂き「だいたいできました」とのこと。

そこで,換気のガラリを取付に現場へ伺ったところ,(ほとんど)出来てますよ,スタジオが!

防音扉,二重サッシ,通線口,吸音パネル,機器用分電盤 等々,まさにスタジオ。

第1回からご覧頂いている皆様はお分かりかと思いますが,念のため…

こちらのスタジオ,換気工事以外はお客様指定の大工さん〜スタジオづくりは初めての棟梁〜がお作りになっていま〜す!

では,ソナは何をしているかというと,ノウハウのご提供ということになります。

スタジオをつくるということに関して,音響設計から工事まで,そして防振ゴムや建具などに関しても自社開発しているソナだからこそ「実際につくることができる」生きたアドバイスを提供させていただくことができるのだと,自負しております。

といっても,このようなコンサル業務がいつもうまくゆくとは限りません。

気合いの入った大工さん/工務店さんがおつくりになる物件で,その方々(実際に作る人)と直接やりとりさせて頂くことが必要です。

 

ソナによる換気工事
空気を取り入れる給気口と排出する排気口に特注のガラリを取り付けています。
2重枠になっている方が排気ガラリ(中),シンプルな方が給気ガラリ(右)です。


排気用と給気用のガラリの仕様がなぜ違うかというと…
排気ガラリは,中にフィルターが差し込まれており,
メンテ(清掃)できるように手の込んだつくりになっているからなんです。

 

スタジオとは直接関係ありませんが…

階段の手摺りといえば,普通は丸棒。

ところがこちらの手摺り,角材から手作業で削りだして製作されています。

手触りの良い木材にほどこされた丁度良い大きさの不規則なでこぼこは,手がかりも良く安心して階段を昇降できます。

棟梁曰く
「設計仕様は丸棒。でも,こっちの方がええと思って,設計の先生に許可もらって,やりたいことをやらせてもらった」とのこと。

棟梁からは「面倒」という言葉を聞いたことがありません。
棟梁にとっては,何事も「できる」か「できない」かであって「できるけど面倒」という概念は無いようです。
技術者たるもの,そうでありたいものデス。

そろそろ,最終回が近いか…

by N

4月 152013
 

前略。そろそろかと思い,棟梁に電話しました。

「吸音パネルの工事に入る頃かと思いますので,修正した最新の図面を持って伺います。」

吸音パネルは,一般の大工さんでは行わない工事なので,初めての方には事前に作り方を理解しておいて頂く必要があります。

とりあえず電話で,

「あれをこうしてこうやったら,次にこれをして,そうするとこんな感じになりますので,最後にはこういうように仕上げます。」

と,棟梁にイメージを伝送し,

「パネルの枠は,桟木(サンギ)の二つ割りなどを使うと柔らかいので作業しやすいかもしれません。」

と,アドバイスさせて頂きました。

が!,素人が材料のアドバイスなどをプロにするものではありません。棟梁曰く

「そんな材料(桟木)は,うちでは使わない。パネルは垂木(タルキ)でつくる。」

そうなんです。本当は,きっちりとした垂木のパネルの方が良いんです。

初めての人には作りやすかろうと思い,桟木(サンギ)なぞを棟梁にお勧めした僕が間違っておりました…

で,本日,現場を訪問。

いやぁ,着々とできてますよ。

グラスウールダクトがついて下地に吸音材が入ると,いよいよスタジオができつつある,という感じです。

そして,最後の仕上げとなる吸音パネル製作のノウハウを棟梁とご子息!に伝授。

お察しの通り,棟梁は息子さんと一緒にこのT木邸をつくられているのです!

そして,吸音パネルは,どうも息子さんが中心となってつくって頂けるようで…

ご子息も立派な大工さんなのであります。

○○建築は,不滅です!

天井に吸音材が入り,いよいよ吸音パネル製作となります。
いよいよ,スタジオっぽくなりました。
(棟梁 & Jr.のツーショットは,透明化処理させて頂いております)

by N

4月 022013
 

前略。棟梁より電話を頂きまして「宿題(遮音工事)が終わりそう」だと。

いよいよ,工事もいよいよ第2局に突入。というわけで,施主のT木さんと現場に。

現場に到着すると,棟梁一同,大工さんは皆大忙しです。

その間をかいくぐってスタジオにたどりつくと… できてますよ!遮音層が。

遮音層に寸分の隙間も無いように,丁寧にシール(コーキング処理)もされております。

といっても,棟梁にとっては初めての防音工事ですし… やっぱりありました,シールされていない箇所。

棟梁に「あとでここもやっておいて下さいね」とお願いすると,

全てを分かっていらっしゃる棟梁曰く

「材料(コーキング)がなくなったから,一時中断。コーキング30本使ったもんで。」

30本って?,このスタジオ,四畳半程度の大きさなんですけど!

なんでも,ボード材を一層貼るたびに全ての目地をシール処理(コーキング)していただいたそうな。

丁寧な作業の積み重ねが性能の良いスタジオを届けることになると信じて,棟梁は全ての手間を惜しみません。

棟梁の仕事を見ていると,スタジオ工事の初心を思い出します。

初心,忘れるべからず。

 

本日は,遮音工事と仕上げ工事の間に必要な換気ダクト工事。
密閉された防音室には,強制換気システムが不可欠です。
遮音層に穴を開けてしまうのがダクトの宿命なんですが,
空気を通して音を通さないようにするのが防音工事です。

 次回までの宿題の中で難しいかも?と思われる工事に関しては,
それぞれの施行箇所にメモ書きを残しておきます。
お願いします!という気持ちと一緒に。

棟梁の背中っす。

 

by N

3月 222013
 

ソナでは,制作会社のスタジオだけでなく,個人スタジオもやってます。

今回の「ザ・棟梁」でご紹介する個人スタジオの施主は,エンジニアのT木さん。

ご自宅の新築に際して,自宅でも仕事ができるようスタジオをお持ちになるという,大変仕事熱心なエンジニアさんです。

そして,この物語の主人公は「K棟梁」…

【棟梁との出会い】

1月。まずは,T木さんが全幅の信頼を寄せている「棟梁」(今風に言うと現場監督)に,お会いしに現場に伺いました。

個人邸の場合,設計段階から参加させて頂くことが多いのですが,現場に伺った時には,設計事務所による設計作業も上棟式も既に終わっており,着々と工事が進行している状態でした。

そのような状況の中,棟梁曰く

「この図面じゃ防音にならん。だからスタジオ部分には一切手を付けずにいる。俺はちゃんとした防音工事がやりたい。教えてくれれば,やれる事は何でもやる。」

むむむ… 名刺を頂くと肩書きが「○○建築 棟梁」。

現場で棟梁と呼ばれている人の名刺はだいたい「代表取締役」とか「○○部長」とかの肩書きがお決まりなんですけど!

こりゃ,本物の棟梁の登場です…

【棟梁弱気になる?】

専門業者よりやる気になっている棟梁の気概を受け,建物の設計図面を拡大コピーして,休日返上で手書き図面を作成して,再びT木さんと現場へ。

その図面を見て,棟梁曰く

「T木さん,こりゃスタジオ部分は専門家に工事してもらった方がええ。こんなダクト工事とか,見たことも無い。」

えっ! 棟梁が弱気に?

複雑な換気ダクトが難しそうな印象を与えすぎた?

そして,今後どのように工事を進めるかをT木さんと僕の宿題として持ち帰ることに…

【やっぱり棟梁!】

ソナがどこまで工事を行うか,T木さんと様々なケースの見積をやりとりしても,なかなか着地点が見つかりません。

そのうちに,とうとうスタジオに着工しなければいけない時期に差し掛かっており…

「やはり,棟梁にスタジオ工事をやって頂くことにしよう!」

と腹を決めて,CADで施工図面を作成しT木さんと現場の棟梁をたずねました。

「換気ダクト工事だけはソナでやります。あと,特殊な材料は手配します。でも,他の工事は棟梁のところでやってもらえませんか。重要なポイントでは僕が現場に来て指示しますし,困ったことがあったらいつでも僕の携帯に連絡を下さい。」

といった熱意が通じたのか,詳細な施工図面を見てやることが整理できたのか,棟梁からあふれんばかりのやる気オーラがみなぎりだし,めでたく工事スタートです。

で,早速グラスウールとジャージクロスを配送手配するため,棟梁に現場にはいつ届けたら良いかを聞いたところ,棟梁曰く

「いつでもええです。今,ここ(現場)で寝泊まりしとるので。早朝でも深夜でも休日でもいつでも受け取れます。」

さすが,現場所長ではなく「棟梁」です。

建築中のT木さんちに忍び込もうものなら,棟梁に何されるか分かりませんよ~。

みなさん,「みんなのいえ」という映画,ご存じですか?

この現場に来ると,毎回思いだすんですよね…

 

現場に図面と僕の携帯電話の番号が貼られ,スタジオ工事スタートです。

 

難しい空調換気ダクト工事はソナで,他は棟梁のところの大工さんで工事。
隙間のコーキングも電源ボックスの遮音も棟梁のところの大工さんでバッチリ!

棟梁の現在のお住まい,T木さんちの新築工事現場。
こちらで毎日朝から晩までT木邸の誕生を見守られております。

by N