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NC値について

NC 値とは、室の静けさを表す指標で、1957 年 アメリカの Leo L. Beranek 氏によって Noise Control 誌で提案されました。(後に若干の修正が加えられ、図の曲線群となりました。)これは、オフィス内の空調機器騒音等の、広帯域スペクトルを持つ定常騒音に対するアンケート調査を基に、会話障害との関係からまとめられたものです。 評価する騒音をオクターブ分析し、どのバンドでも図の曲線を上回らない最低の数値をNC値とします。 NC値は、その値が小さいほど静かであることを示し、NC-25 の室はNC-40 の室よりも静かであることを表します。

NC値と会話の難易度との関係

NC値 騒音の状態 適用例
NC-20~30 非常に静か
電話に支障なし
大会議可能
重役室
大会議室
NC-30~35 静か
4.5m のテーブルで会議可能
3~9m離れて普通の会話可能
和室
応接室
小会議室
NC-35~40 2~2.5mのテーブルで会議可能
電話支障なし
2~4m離れて普通の会話可能
中事務室
工場事務所
NC-40~50 1.5mのテーブルで会議可能
電話やや困難
普通の声で1~2m
やや大声で2~4m離れて会話可能
大きな機械室
製図室
NC-50~55 2~3人以上の会議は不可能
電話やや困難
普通の声で30~60cm
やや大声で1~2m離れて会話できる
タイプ室
計算機室
製図室等
NC55 非常にうるさい
事務室に不適
電話使用困難
適用無し
NC値は、騒音に対する基準値として広く使われ、室の用途に対する推奨値も示されています。
オクターブ分析図表 オクターブ分析

室用途による室内騒音の許容NC値

レコーディングスタジオ NC-15
テレビスタジオ NC-20~25
コンサートホール NC-15以下
多目的ホール NC-15~20
劇場 NC-20~25
オペラハウス NC-20~25
教会、礼拝堂 NC-20~25
多目的イベントスペース NC-35~40
上表によると、スタジオ等に要求される室の静けさとしては、NC-15 ~ 25 ですが、近年録音系の低ノイズ化も進み、空調機器の消音技術も向上していることなどから、M.A.F.(Minimum Audiable Sound Field:最小可聴閾)に近い静けさが求められる傾向があります。
測定のイメージ図 測定のイメージ

空調タイプとNC値

スタジオ等に関しては、外部騒音に対する遮音対策が強固になされているため、空調設備騒音等の室内で発生する騒音によってNC値が決定されることが殆どです。 空調のタイプには、大きく分けて「ダクトタイプ」「天井カセットタイプ/壁掛けタイプ」の2種類があります。

ダクトタイプ図
天井カセット型タイプ/壁掛けタイプ図